◆スポーツ医科学◆ |
第8回 サッカー選手の食事 |
(会報誌 第23号より) |
現在6月上旬。 いよいよドイツワールドカップが始まります! 選手達はこの大会に照準を合わせ、ベストコンディションで試合に臨むために、 試合何時間前に、何をどれだけ食べたらよいかを考え、実践することでしょう。 なぜなら、食事だけで試合に勝つことはできませんが、食事が悪くて試合に負けることがあるからです。 今まで積み上げてきたサッカーの技術をすべて出し切ることができるように、がんばってもらいたいものです。わが日本チームの活躍を期待しましょう! ところで、読者の皆さんは、サッカーを楽しむのと同じくらい、食事も楽しく、おいしく、そして賢く摂っていらっしゃりますか? 筆者は、チャイルド、少年団の選手からプロのJリーガーまで幅広い選手の食事を見させていただいておりますが、意外と食事が疎かな選手が少なくありません。 例えば、夕方の練習が終わってコンビニに立ち寄り、清涼飲料水やスナック菓子を食べてしまい、夕飯を少ししか摂れない選手。 あるいは、夜遅くに油っこい夕食をたべた為、胃がもたれて翌朝の食事が十分にとれない選手。 サプリメントを摂っているからといって欠食・偏食の多い選手、等々。このような食生活ではちょっと心配です。 私たちの体は、食べ物からできています。筋肉、骨、爪、髪の毛…、すべての材料は食べ物なのです。 ですから、活動量に見合った食事を摂ることが、元気に過ごすためには重要ですし、ましてやサッカーの競技力向上を目指そうと思うのなら、なおさら食事についても配慮することが大切なのです。 では、一体どのような食事を摂ったらよいのでしょうか? 一般の方がごはんやパン、麺類などの「主食」、肉・魚・卵・大豆製品を使った「主菜」、野菜や海草・きのこなどを使用した「副菜」をそろえた食事を心がけてらっしゃるのに対し、日常的にスポーツを行っている皆さんの場合には、それらに「汁物、果物、乳製品」をプラスした「スポーツ選手の食事基本スタイル」を毎食揃えることが重要です。 そうすることにより、栄養の「質」と「量」を確保することができます。 そして暑くなるこの時期、食事と共に重要なのが水分補給です。 運動中の頻回少量の給水のみならず(15~30分間隔でコップ半分から1杯程度)、運動前(30~60分前に500ml程度の給水)や、運動後の水分補給もしっかりと行ってください。 冒頭お話したように、食事だけで勝つことはできませんが、食事が悪いと練習中に集中力を欠いてケガを招いてしまったり、風邪をひきやすくなったりしてしまいます。 ぜひ、「食事もトレーニングの一つ」と位置づけて、運動量に見合った食事を摂るように心がけましょう! ※公式ホームページ http://www.shoku-sports.jp/ |
古旗 照美(オフィスしょくスポーツ主宰 管理栄養士) |
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